CURE ['97]

【監督】黒沢清
【出演】役所広司
     萩原聖人
     うじきつよし

 連続多発する殺人事件。犯人が直ぐに判定できても確証がなく動機も不透明。そんな殺人事件を捜査する刑事・高部と、催眠術を使い巧みな話術で一般人を殺人犯に仕立てる放浪者・間宮。殺人現場はかなり凄惨で目を覆いたくなるほど。この間宮は記憶喪失者なんだけど、それが演技なのか素なのかは定かではない。その為に”殺人犯”である怖い顔とか不気味な表情がなく、キョトンとした顔でさり気なく催眠を掛けるところが逆に怖かったりする。
 間宮の催眠術を掛ける前兆は目の前の人物に「君の事教えてよ」と聞いたり、「煙草吸って良い?」と言うような一般的な質問。殺人犯に仕立てても決まった標的は居ない。催眠術を掛けた相手の身近にたまたま居る人物が標的にされる。ライターや溢れた水を見させながらの話術で催眠術を掛ける。何事もさり気ない為に、取り調べをする高部自身も徐々に催眠に掛かり幻覚などを見るようになってしまう。
 しかし警官や女医まで殺人者に仕立て上げられる催眠術師が居たらエンドレスで殺戮が起きそうです。外ればかりの邦画界でこれは中弛みが無く良かった。
 でも中弛みがないほど殺人事件起きてますが・・・。ラストも衝撃的。

ジェール・ヴェルヌの地底探検 ['76 スペイン]

【原題】The Fabulous Journey to the Center of the Earth
【監督】ファン・ピケール・シモン
【出演】ケネス・モア
     イヴォンヌ・センティス
     フランク・ブラナ

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 古本屋で偶然(計算的?)に手に入れた地図を元に地底探検をする物語。元々は暗号文なのだが設定では何ヶ月も解けなかったと悩んでいるが、画面的には数分で解かれている。一緒に行動する無口な羊飼いが飼っていた数頭の羊が”雷に打たれて死亡”したらしいが一体どのような雷だったんだろう・・・。
 山の頂上の今にも噴火しそうな火口が地底への入り口だし、地底に入ると言っても唯の洞窟で、乗り物に乗って掘り進んで行く事もない。地底の構造はとにかく変で適当感が垣間見える。強風が吹くのは許せるとして、幾ら何でも広大な海はないだろう。しかも海浜まである。そしてどうやって材木を手に入れたのか不明なまま筏を造り出し海へと出てしまう。海に出たらまたまた適当感の真骨頂。魚が居ないはずだったのに魚が釣れるし、2頭の怪獣が現れて命を賭した喧嘩を始めるし、島を見つけて上陸したら異常発達している猛毒性のキノコがあったり・・・。地底であるはずなのに徐々に”地底”である事を制作者は忘れている。
 まだまだ白ける出来事は続く。巨大凶暴亀が居たり、キングコングのような巨大猿が現れたり、恐竜の島があったり・・・。地底人まで存在したりして(単に地底に住んでる人間で怪獣とかではない)もう何が何だか分からない。海上の話と勘違いしてないか!?。嵐まであるし・・・。
 ヒロインがキャーキャー五月蠅いのも困りもの。何故良くも分からない癖に地底の話を作ろうと思ったのか・・・。地底がどんな感じなのか調べもせずに作っている感が伺える。

東京攻略 ['00 香]

【英題】Tokyo Raiders
【監督】ジングル・マ
【出演】トニー・レオン
     イーキン・チェン
     ケリー・チャン

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 いきなりレオンの下手なおかまっぽい日本語とアクションで始まる。スタンガンの付いた棒などを使って戦うのは良いが、何故舞台は日本なのに音楽はラテン系なのか。お陰で五月蠅くて堪らない。東京が舞台と言うことで今では有名な主役級の日本俳優達も多く出演しているが何か皆台詞棒読み。レオンとチェンが正体を隠してある人物を追っていると言う設定も、正体が分かったからと言ってどうこうの問題ではなく、ストーリーも意味不明。
 東京舞台のアクション映画と言うよりも香港の俳優を東京観光に招いてそれをドキュメントしている感じにも見て取れてしまう(アクションシーンはその俳優への指導)。
 ラストの隅田川ボートチェイスも何でチェイスする羽目になってるのか分からないし。高橋が握っているという神戸組の証拠も結局は何だか不明。日本は映画撮影場所に関して制限が多いから、この作品も結構遠慮して撮影したらしい。その為にどのシーンもこじんまりして迫力が伝わらない。日本キャストが無意味に多かった気もする(特に女優陣)。日本が舞台だからって無理して香港のキャストに日本語を喋らせる必要性が感じなかった。
 ちなみに2作目はソウルが舞台になっている。まだ作ったのか!?。

カンフーハッスル ['04 中・米]

【原題】Kung Fu Hustle
【監督・出演】チャウ・シンチー
【出演】ユン・ワー
     ユン・チウ
     ドン・ジーホワ

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 キャッチコピー通り有り得ないアクションが満載で香港映画お得意の”一般市民に見えて実は達人”が巧く採用されている。色々な拳法がCG使用で垣間見られるが、使われている技が『少林サッカー』に似たり寄ったりだったのは残念。如来神掌と言う技は実際は伝説の拳法らしく”伝説”と言う事は名前はあるけど実際に使った事のある人物を誰も見た事がない・・・と言う事。
 豚小屋砦での3つの達人と斧頭会(中国マフィア「蛇頭」の真似?)一員との対決、その3人と琴奏者の殺し屋、家主と妻の達人、火雲邪神など見所は多い。グロテスクなシーンもあるが笑えるシーンもあり中弛みがない。
 ただ、笑いを取るシーンは監督が本当に笑いを取ろうとしているのか、それとも単なる悪ふざけなのか、その境が分からない。尻とかで笑いを取るのはふざけてるとしか思えない・・・。あと、アイスクリーム屋の女性との関係をもっと鮮明にしないと分かり難い。ハリウッド映画のパロディとかもあったらしいが、どの部分が何の映画のパロディなのか不明で、元ネタが分からない分笑えない。
 グロテスクさを我慢できれば悪くはないだろう。アクション好きでも好みが分かれそうな作品。
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   <キャッチコピー>
ありえねー。

世界女族物語 ['62 伊]

【原題】La Donna Nel Mondo
【監督】グァルティエロ・ヤコペッティ

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 世界各国の色々な女性を紹介しているので、その国の文化などが良く分かり世界を旅する番組を観ている感じ。イスラエルの女性兵士から始まり、世界唯一の女性宣教師が居るというストックホルム、男子禁制のナイトクラブのあるオランダ・・・。
 ニューギニアでは男女の立場が逆で、女性が働いて男性が化粧などをするらしい。朝起きたら踊りで始まり、産まれた子は既に親を断絶させ踊りの申し子として育てられる。養成するのは主に年老いた女性達。フランス・カンヌでは女優の卵がたくさん居て、女優になる為ならば何でもしてスキャンダルも恐れない・・・。ストックホルムの学生寮では夜でも一切カーテンを閉めず、中で行われている事が隣のビルなどからは丸見え(お互い様か?)。スウェーデンは世界一社会保障が行き届いていて、イタリアでは夫婦関係に厳しく、どちらかが不貞行為をするとその人が死んだ時に墓石にもその旨を落書きされるらしい。売春が盛んなシンガポールに、逆に婦人警官が売春宿を取り締まる香港・・・等国によって違い、日本では考えられないけどその国では当たり前な常識が幾つもあげられる。ちなみに日本からは整形手術の模様があった。
 ただ何処までは本当なのか分からない事や、例え本当でも60年代の作品なので、今も尚その文化が継承されているのかどうかなどは不明なので、当時にこの作品を観れば良いのだが、現代では若干説得力がない。そこが最大の問題点・・・。

ドレミファ娘の血が騒ぐ ['85]

【監督】黒沢清
【出演】洞口依子
     伊丹十三
     麻生うさぎ

 麻生うさぎと言う人がAV女優のようで、その為かパッと見た目は唯のAVなのだが、”恥じらい理論”を研究するという設定があるお陰で、唯のAVにはなっていない。が、やはり何かが変。
 まずは冒頭でエンドロール並のスタッフ・キャストロールを見せていて長い。低予算映画なのか、8mmカメラを使用して撮影されたようで、カメラワークが手振れになっている。同一人物を一切カメラを動かさないまま(映されている人も殆ど動かない)数分間撮影している事も度々で、映画のはずなのに新人カメラマンへ指導している感じの撮り方。シーンの合間に何処で誰が撮ったのか意味不明なビデオ映像もあったりする。時折ミュージカル調になるのも訳分からない。
 1番最悪なのは台詞が機械調で辿々しい事。つまりは演劇部員の発声練習な感じ。監督はこれが映画である事を分かってこの作品を作ったのだろうか・・・。
 手振れなカメラワーク、辿々しい台詞のお陰で出演者・スタッフ全員が下手に思えてしょうがない。AV風にするとか以前に根本から変えるべき。
 なので最終的には恥じらい理論がどんなものであるとかなんてどうでも良い。取り敢えずは”映画ではない映画”と言っておこう。

岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説/妖怪地獄 ['04]

【監督】宮坂武志
【出演】竹内力
     山口祥行
     田口トモロヲ

 「EPISODE FINAL」を迎えたはずなのに未だに終わらないこのシリーズ。「FINAL」は一体何がFINALだったのか逆に知りたいが、この作品は番外編。カオルの決闘相手についには妖怪を出して来るという何とも強引な展開。このままでは何時かは宇宙人とかも出て来るぞ。
 最初は”人食い河童”の恐ろしさを伝えるも、ある暴力団の着ぐるみと分かって、それから白装束を着た女性とか武士の霊などCG等を使用した本物の霊との対決となる。ただホラーテイストと言うよりかはお化け屋敷テイストで、白装束の女性も武士の霊も同じく誰かが化けてるのかと最後まで思っていた。
 武士が奉ってある岩を倒して元に戻さなければその霊を倒す(?)事は出来ないのに、人の言う事を余り聞かず無謀に無意味に闘いを挑むカオルとか、女性の霊に取り憑かれて暴れる友人とか・・・ホラー映画ならば怖い要素になる所が逆に観ていて恥ずかしい感じに。
 舞台となっている天狗山とカオルの自宅が近いのか直ぐに帰れている距離感の不思議(しかも1日は道に迷っている)。
 武士霊が暴れないようにお祈りするとか、変な呪文(?)を読むとか・・・何処か何かが違うのばかり。FINALの後も毎年1作品は出ている気がするこのシリーズ・・・。真のFINALは一体何時なのか・・・。未だに面白いと感じる作品には出会えず。
 と言うか聞こえにくいカオルのドスの利いた声をどうにかして欲しい。

ワイルド・ヒーローズ ['89 香]

【原題】義胆群英
【監督】ジョン・ウー
【出演】ティ・ロン
     チャウ・シンチー
     クオリー・クオン

 ウー監督でギャング抗争と言えば『男たちの挽歌』があるが、何となく展開は似ている。冒頭から始まる大銃撃戦や、内部に裏切り者が居て誰が敵か分からない緊張感、意味のない余計なロマンス、足を洗った者の復帰・・・等は同じ。シンチーが今では考えられないようなシリアスな演技で結構重要な役どころをやっているのも見所。
 出演者で観ても、チョウ・ユンファが出ていない事を除けば、結構「男たちの挽歌」シリーズに出ていた人ばかりで寄せ集めな感が強い。白い鳩こそ出ては来ないものの、二挺拳銃アクションは健在。ただ今回はスローモーションもアクション部分ではなく、必要のなさそうな部分に使われている。
 撃つ時はかなり徹底的で、人を撃つのも1人に何発も撃ち込んだりするし、主役級は善悪問わず銃弾を体に何発受けても普通に歩いていたりするし弾切れも殆ど起こさないし、何時も何処に隠し持っているのか銃がなくなる事もない。最初の内は抗争だったのが終盤では単なる跡目争いになっていて、要は内戦状態。
 あと1番の問題点だが音楽が悪い。たまに軽快な明るい感じの音楽が流れるのはどういう事なのか。総合的に見ればシンチー演じる舎弟の立場が1番切ない。

岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説EPISODE FINAL/スタンド・バイ・ミー ['01]

【監督】宮坂武志
【出演】竹内力
     田口トモロヲ
     千原浩史

 『血煙り純情篇』にカオルが特別出演してる感じ。描かれるのは、ミツエと言う小母さんとカオルやリイチとの心温まる交流が主体で、今までのカオルちゃんシリーズのような暴れっぷりは余り見られない。しかもカオルよりもリイチの方が主演的要素が強い。何と言っても今まであったカオルに勝負を挑む無謀な輩が全く登場しないのが逆に寂しい。カオルの台詞が聞こえにくいのは相変わらず。
 いきなり回想シーンになったり夢の中になったり過去になったり、ホラーチックな幻覚が見えたりと時折唐突なシーンが入るのも訳が分からない。カオルちゃんシリーズ以外の岸和田少年愚連隊シリーズからちょこっとずつシーンが回想されるのはファンには嬉しい演出かも知れない。逆に言えば今までのシリーズを見ておかないと意味不明なのだが・・・。
 終盤では暴れ回るカオルと警察との大乱闘。誰が呼んだのか機動隊まで出動している始末。でもカオルが捕まったのか捕まってないのかは不明。
 ガンで時折痛むのをモルヒネで抑えながら健気に生きるミツエと、そんなミツエを心優しく支えるカオルやリイチ達不良が何か微笑ましい。
 あと、岸和田だんじり祭りの迫力もシリーズ史上最高に伝わっている。

ブラック・ハンター ['77 英]

【原題】The Black Panther
【監督】イアン・メリック
【出演】ドナルド・サンプター
     デビー・ファリントン
     マージョリー・イエーツ

 実話を基に、妻子には仕事をしてるとか言いながらもその仕事が実は強盗で、場合によっては強盗殺人を繰り返す主人公。妻子とは殆どまともな会話は交わさず自分勝手で少々DV気味。
 肝心の強盗だが、侵入する所が省かれていて何時の間にかレジなどを漁ってる感じ。金庫があっても鍵の場所が分からず(探そうともせず)寝ている家主に近付いて聞く始末。抵抗されたり刃向かうと射殺して逃げていく。こんな話なのに意外と登場しない警察。一応懸賞金などは掛けられるけど、犯人の顔も分からないのに懸賞金は早い気がする。
 何者なのかは定かじゃないが、少女を誘拐し身代金を家族に要求する時も回りくどい。テープ状に書かれている脅迫文はどのように何時の間に作成したのか。警察に通報するなとか書かれても所詮文に書かれているだけなので、警察には通報されるわ知らぬ内に事件の事が外部に漏れてるわで散々。しかも犯人である主人公は、警察に通報されている事も外部に漏れている事すら知らない。結局は誘拐した少女を殺してしまうけど、素顔がばれたからであって身代金がどうのこうのは関係ない。
 最後は警官を脅迫して公務執行妨害罪で捕まっていて何から何まで自分勝手。最後の方では登場しなくなるけど、主人公の妻子の事を考えると切なくなる。

バタアシ金魚 ['90]

【監督】松岡錠司
【出演】筒井道隆
     高岡早紀
     白川和子

 今も活躍中の俳優が多く登場するが流石に皆若い。特に東幹久と浅野忠信は最初は誰だか分からないほど。カナヅチなカオルがひょんな事から水泳部のマドンナであるソノコに恋をしてソノコに会いたいが為に水泳部に入部するんだけど、ソノコが目当てなので練習とかはサボってばかりでソノコに対してかなり熱烈。その熱烈振りは今で言うとストーカー。半径何メートルかの接近禁止命令が出されるんじゃないかほどで、当たり前だがソノコにとっては迷惑な存在。手紙を何通もポストに投函したり、出会えばずっと付いてくる。その癖にかなりの強がりで、泳ぎもまともに出来ない癖にソノコに近付く相手を勝手にライバル視し勝手にオリンピックを目指すとかほざく。専属コーチを付けて貰っても結局は文句ばかり。男性から観てもかなりカオルはウザイ存在。
 最終的に泳ぎが早くなるモノかと期待したが、カナヅチが直るだけで泳ぎの遅さは直らないまま。しかも強がりも一向に直らずに終わってしまい拍子抜け。カオルが本当に泳ぎが上手くなりたいのかどうかなんて不明。ソノコも偽装恋人とかを使ってカオルを引き離そうとするんだけど効かず。
 カオル?が原因で過食症になり太って学校にも来なくなるソノコ。太った姿を別人が演じているのは笑った。でも一瞬にして元に戻るので変に違和感。水泳部のライバル高で同じくソノコにラブラブな牛川高校主将の単純振りも面白かったけど。
 カオルの鬱陶しさにどれだけ耐えられるか・・・そんな作品。

特攻ノルマンディー ['69 伊]

【原題】Legion of the Damned
【監督】ウンベルト・レンツィ
【出演】ジャック・バランス
     クルト・ユルゲンス
     トム・ハンター

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 ノルマンディー上陸作戦に先立って作戦を遂行する連合軍の話。任務を遂行するのは上司反発や軍刑務所に入れられていた9人の破落戸達。最初は監視塔付近の地雷を爆破して連合軍主部隊の上陸を達成させる事だったんだけど、主部隊が逆に殲滅されてこの破落戸達が主部隊が行うはずだった任務である長距離列車砲破壊を行う事になる。
 9人で出発して最後には若干4名ほどになる破落戸達の部隊が何か切ない。司令官にはもう1つの目的として宿敵である敵方司令官との対決があるが、これは何だかんだであっさり終わってしまう。60年代の所為なのか、銃声の音が妙に合ってなかったりもする。列車砲という強力兵器がどんなものであるかは垣間見れた。連合軍側は僅かなのに多勢に無勢でやたら多い相手軍。でも途中で何処からともなくレジスタンスの味方が現れたりする。
 歴史的背景から見て、これから「ノルマンディー上陸作戦」に移行すると思えば内容はまぁ納得できるかな・・・。

   <キャッチコピー>
アンゴー要塞へ突っ込む 壮絶無比の 9人の破落戸達――。

アンダーワールド ['03 米]

【原題】Underworld
【監督】レン・ワイズマン
【出演】ケイト・ベッキンセイル
     スコット・スピードマン
     シェーン・ブローリー

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 狼男族(ライカン)と吸血鬼族(ヴァンパイア)との何千年にも及ぶ争い。所謂人間の敵同士が争うのだが、珍しく一般人を襲うというようなシーンが一切ない。序盤から結構激しい銃撃戦があり、普通の人間に見える男性が狼男に変身していくシーンは秀逸。だが、どちらがライカンでどちらがヴァンパイアなのか・・・戦っていると分からない(両方とも姿は人間だし)。ライカンの目的が人間の青年医師・マイケルである事を突き止め、セリーンは恋にも落ちる。
 ライカンもヴァンパイアも組織化していて巣窟もある。同組織のリーダー同士が手を組んでいる事が序盤過ぎに早くも発覚するけど、裏切りに見えて実はそうではなく、本当の敵はヴァンパイア側の皇帝的存在のビクターだったりする。
 ライカンのボスの妻は実はヴァンパイアで、ビクターがボスの目の前で妻を日光で焼き殺した事で復讐の為にライカンとヴァンパイアは敵対する事に。争いのきっかけを作った人物が主人公側に居ると言うのは何だか皮肉なモノである。その所為か悪であるはずのライカンの方に同情してしまいそうになる。
 アクションに関すれば人間ではないもの同士の争いなのに普通の銃撃戦になっている。弾こそ銀弾だったりと特殊だけど。中弛みする事がなかったのは評価。
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この闘い、本能か 愛か――。

フェラーリの鷹 ['76 伊]

【原題】Polizotto Sprint
【監督】ステルヴィオ・マッシ
【出演】マウリツィオ・メルリ
     オラツィオ・オルランド
     ジャンカルオ・スブラジア

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 主人公は刑事で犯人の逃走車を追い掛けるのが好きなスピード狂。でも実は運転が下手で中盤までに既に2回も転倒し相棒を亡くしている。相棒の死に悲しむ事も責任を取らされる事なく話は進む。最初は刑事を続ける事を諦め掛けるのに、部長のある一言で続行を決心する。要は煽てられると弱いタイプ。連続する銀行強盗を追うのが任務なのだが、その首領は運転技術にかなり長ける。そこでこの主人公が犯人追跡の切り札になって、運転技術の特訓後に強盗団への潜入捜査に入るのだが、銀行強盗を1回もしない内に早々と正体がばれたりする。しかも彼女の所為。何故単に追跡好きのスピード狂で運転の下手だった彼が逆に追跡の切り札になるのか良く分からない。
 ほとんどがカーチェイスだが、やはり70年代の所為か余り迫力はない。乗る車によるかも知れないが、凄いカーチェイスをやっているようには思えない。カーチェイスというよりかは普通に行う車での追いかけっこな感じ。
 ただ、片輪走行とか崖からの大ジャンプなど逆に今では観られない運転技術が観られる。ラストで首領を簡単には逮捕せず車で勝負するのは秀逸。逃げずに堂々と勝負を挑んでくる首領に感心。でも崖越えで失敗して死んじゃうのは何だかなぁと言う感じだが・・・。

クラッシュ・ダイブⅡ ['98 米]

【原題】Crash Dive Ⅱ
【監督】エド・レイモンド
【出演】マイケル・ダディコフ
     ジェームズ・ホラン

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 冒頭からいきなり銃撃戦が始まるがこれが何であるのかが良く分からない。そして分からないまま7年後へ進行する。ジャックされた原子力潜水艦を奪還する為に潜水艦に潜り込むのは男女の軍医。潜入も偶然で、テロ側に怪我人が出たお陰であって、誰も怪我人が出なかったら定かではない。しかもこの軍医は武器嫌いで銃器などは好きではない。女性の方がさり気なく乗っ取られている事に気付いたりする。軍医なので頼りなさそうに見えて意外と活躍できている。怪我しても自分で治療できるのが強み。足を撃たれてからが逆に強くなってる気がする。
 乗っ取られたと知ってこの原子力潜水艦を攻撃する米軍攻撃型潜水艦。攻撃型ならばさぞかし防御力も強そうなのだが、あっさり破壊されている。
 テロ側は皆ロシア人の所為か数人はロシアの母国攻撃に反対。その所為で仲違いが起きたりもする。原子力ミサイル発射のカウントダウンが始まっても、テロ要員のお陰で止められたり。
 ただ順番が不味かった。テロリストのボスを倒してからミサイルストップをするならばまだ緊張感があるが、ミサイルを止めてから首領との対決なので余り緊迫感がない。
 潜水艦内アクションは結構多いけど、空間が狭い所為でどれもこじんまりしてるのは仕方がないのか?。

いつか、きっと ['02 仏]

【原題】La Vie Promise
【監督】オリヴィエ・ダアン
【出演】イザベル・ユベール
     パスカル・グレゴリー
     モード・フォルジェ

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 自堕落な生活を送るシルヴィアと母の愛に飢える娘・ロランスの逃亡劇。ロランスがひょんな事から男を刺殺してしまって逃亡劇が始まる。でも指名手配される事もなく、誰かに疑われるって事もないので説得力には欠けている。しかも中盤以降は何故か再び地元に戻る為に逃亡劇なんてどうでも良くなっていく。逃亡劇と言うよりかは、別れた夫を探して息子と再会する旅。元夫と会う為の旅がたまたま”逃亡”と見なされているだけ。
 最初は母と娘の仲が悪いので、道中でも喧嘩ばかりで途中ではぐれて別々になる。それでもシルヴィアははぐれた娘を探すんだけど、元々の原因は喧嘩して立ち去った娘を一向に探そうとせずヒッチハイクの旅をした母親なんだけども。娘はいきなり発作を起こす事があるそうだが、それがどんな症状なのかは定かではない。いきなり回想シーンが始まって驚く事も。
 フランスの田舎の景色は綺麗で、最初に登場する色々な花言葉が分かったりもしたし、時折登場する道端に咲く花も綺麗だった。花は撮り方が巧い。
 娘と母のはぐれた後の出会いが凄い偶然だったり。一緒に旅(?)をする事になった男性は一体誰だったのか説明不足。

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わたしを探して。

アステロイド2 ['99 米]

【原題】Judgment Day
【監督】ジョン・ターレスキー
【出演】マリオ・ヴァン・ピープルズ
     アイス・T
     スージー・エイミス

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 巨大隕石の衝突+カルト教団に誘拐された博士の救出の2つが交錯しながら進行する。でもどちらを主体にしたいのかは分からず。カルト教団は神を信じて天災を神の慈悲だと思っている。がそれだけで変な儀式とかは行わない。非情なのは間違いないようだが。FBIはカルト教団のボスを妻の仇にしている囚人と共同行動。囚人は何か裏切りそうだが、話が進むに連れて徐々に格好良くなっていく。
 博士は巨大隕石を破壊する装置”ノア”を唯一動作できる人物らしいが、最後には時間がないからと電話で操作法を指示。電話で伝えられるぐらいなら最初からそうすれば誘拐される事もなかったんじゃないか?。しかも博士から教えて貰えれば誰でも動作できそう。そして、”ノア”の効能も不透明。
 神を信じようが信じなかろうがどっちみち人間は何時か死ぬ。でもそれを信じないカルト教団。では何故キリストは死んだのか・・・そんな所は誰も突っ込まないのか!?。博士は神なんて信じない派でした。
 カルト教団との対決もあっさり終わってしまった。でも教団のボスの取り残された子供達の今後の行く末に同情しそうです(一気に両親亡くしてるし)。

レクイエム ['04 米]

【原題】Wake of Death
【監督】フィリップ・マルチネス
【出演】ジャン=クロード・ヴァン・ダム
     サイモン・ヤム
     ヴァレリー・ティアン

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 最愛の妻を殺された男の復讐劇だが、その復讐劇が始まるまでは割と退屈。冒頭で父が母を殺すのを見て逃げ出した少女・キム。難民船で難民と共にアメリカへ渡る所から物語は始まる。つまりはこの少女が1人で犠牲者を巻き込んでいる。1度復讐劇が始まると、手段を選ばないので血生臭い残酷なシーンが増える。問答無用の銃殺、電気ドリルでのフランス式拷問(本当かどうかは知らないが)、船上での銃撃戦・・・。アクションに関しては余り従来のヴァン・ダムの格闘が殆ど観られないのが残念。ずっと笑わないシリアスな作品なので、ヴァン・ダム自身のやる気も感じなかった。
 敵であるキムの父・クァン達もなかなかしぶといが、何故そうまでして娘を奪還したいのか、娘を保護してる人たちを何も言わずに殺してしまうのかが分からない。確かにこんな父親なら小さな娘が逃げ出すのも当然の事だろう。でもキムという少女も一言ぐらいは謝るべき。1人で逃げ出してきた所為で同情を買われて自宅に預かってその妻は殺されてるんだし・・・。男の家族で1人生き残った息子がなかなか強か。この息子のお陰でキムって子は連れ戻されずに済んでいます・・・。
 終わり方もあっさりとしていてスカッと出来るような感じではない。最後の対決となるアクションはもう少し長く撮るべき。
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最愛の妻へ贈る復讐の鎮魂歌

闘え!ドラゴン2/危機一髪 ['75]

【監督】田村正蔵
【出演】倉田保昭
     府川房代
     赤塚真人

 普通続編と言うのは前作で批評された部分を直すのが通常だと思うのだが、この作品は総計5作もあるので多分一気に撮ったんだろう。その所為かどうかは知らないが、悪い部分は全くと言って良いほど直っていない。まず冒頭から最後までとにかく闘っている。シャドウと言う組織が竜馬を狙うのは相変わらずだが何故狙っているのかはやっぱり定かではない。
 シャドウが父の仇討ちと言って竜馬と共に闘わせてくれと願う女性も僅か数分でシャドウの一員である事を明かし、あっさりと出番が終わってしまう。物語も適当で、シャドウの一員だったのにシャドウと闘うその女性とか、シャドウから命を狙われているはずなのに実の姿はシャドウの首領とか意味不明。今回も香港の天才殺し屋とか数人のカンフーの達人が登場する。勿論取って付けた感じで・・・。Ⅰでは日本、香港、マニラと色々な国を瞬間移動で回ったが、このⅡでは前作の交通費が嵩んだのか舞台は日本だけ。でも移動は瞬間。
 で竜馬も相変わらず瞬間移動の持ち主(皮肉)。ビルの上階でシャドウの首領が車で逃げるのを見ていたら、次の瞬間には車でその車に追い付いていたりする。逆も有りで、上階に逃げるシャドウをビルの入り口で見ていた次の瞬間にはシャドウの居る屋上に辿り着いていたりする。要は編集が物凄い下手。
 シャドウは相変わらず数だけ多く数で攻めてあっさり敗れる。達人達も弱く、香港の”天才”殺し屋の癖に数分でやられたりする。達人が1度は必ず逃げるのは前作と同じ。
 竜馬も「ドラゴン」と言う異名があるが、達人クラスの敵にもあって、「海嵐」「海蛇」「黒の豹」・・・。黒の豹は今作品の大ボス的存在で顔を見せない為に仮面をしている。でもこの仮面も意外な正体を知られない為の演出。ドラゴンを倒そうとは思っている癖に3度ぐらい逃げて結構情けない。しかも”宿命の対決”とか言いながらあっさり勝負が付いちゃったりする。
 工事現場の凸凹道にタクシーが来ると言うような変な部分も。

Mr. & Mrs. スミス ['05 米]

【原題】Mr. and Mrs. Smith
【監督】ダグ・リーマン
【出演】ブラッド・ピット
     アンジェリーナ・ジョリー
     ヴィンス・ヴォーン

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 せっかくピットとジョリーという豪華な顔触れを揃えたのに勿体ない印象。2人が敵対している組織に所属・・・と言われてもその組織が良く分からないので説得力なし。最後にどちらかが死んでしまうとかならまだ良いのだが、如何せん誰も死なないし、どんなに喧嘩しても結局は”愛してる”で片付けてしまう。その為に家の中で繰り広げられる夫婦同士の銃撃戦も唯の過激な喧嘩にしか見えず、組織がどうこうのは関係ない。大体序盤で「最後は協力して立ち向かうんだろうなぁ」と想像できてしまう。
 お互い組織のボスなども全く顔を出さないので、立ち向かうと言っても今襲って来てるのはどちらの組織だ!?とか思ってしまう。敵対してると言う事は、2つの組織が同時に襲って来るのは難しいし、スミス夫妻を狙うなら相手の組織ごと狙った方が辻褄が合う気もする。でもそんな凄い銃撃戦も見られない。
 ラストの夫妻協力の銃撃戦は何だったんだろう。これって何をどうすれば組織に夫妻が勝ったって事になるんだ!?。まぁ壮絶な夫婦喧嘩の作品と考えれば良い出来だったと思う。
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一瞬で恋に落ちた、ふたり お互い、その正体は秘密。