ROOM13 ['99 仏]

【原題】Room#13
【監督】アンナ・ヴィリアーズ
     ファビエンヌ・ジャック
     パスカル・シンジエヴァン
【出演】エリザベル・ガザ
     スタニエラ・メーラー
     フローレンス・ボルファー

 13号室で起こる出来事の各6分13編のエピソード。ただ幾ら何でも6分は短すぎる。そして13編は多い。インパクトのあるのさえなく、中盤の7編目ぐらいから飽きが来て、10編も過ぎると眠気に襲われる。内容的にも先が読めるのが多い。つまんない物ばかりって事もないのだが、訳が分からないのが殆どで面白いこともない。ホラー要素もあるのだから、せめて驚くシーンとかも入れるべき。一応血の出るエピソードもあるが、残酷となるべき殺しの瞬間などは”音”で表現して省かれている。これもある意味面白さを半減させている。各エピソードでは年月日も表示され舞台が何時なのかも示されるが、この映画で年月日は必要ない。
 どうせならこの13編のエピソードの1部分を繋げて1つのストーリーにした方が良かった気もする。ただ男性側の俳優は観た事あるような人たちばかりだったけど。

乱気流/ファイナルミッション ['98 米]

【原題】Sly
【監督】ロドニー・マクドナルド
【出演】ジェームズ・ルッソ
     アイス・T
     メル・ハリス

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 「乱気流/タービュランス」とこんがらがりそうなタイトルだが、実はストーリー的にも若干似ていて、テロリストがハイジャックしてその時に機体も異変が生じて乱気流などにも襲われる・・・と言うところは同じ。余り似てると誤解されるからか、こちらでは機外からの侵入でテロリストに立ち向かっている。でもこうなると『エグゼクティグ・デシジョン』なのだが・・・。言ってみればオリジナルなアクションが丸っきりなし。ラストに操縦をした事ない人が巧く着陸させるのも毎回観る光景。ヘリコプターでジェット機に追い付く事なんて可能なのだろうか・・・。
 しかし囚人を一般客と一緒に乗せるって事自体危険な気がするのだが、コン・エアー(囚人輸送機)に乗せる囚人と乗せない囚人ってあったりするのか?。囚人を輸送する捜査官達が余りにも弱い。機内で銃撃戦も危険な気がする。
 操縦士に女性が居る場合大抵は機長の方が流れ弾とかで死んで、副機長の女性が活躍しますね。ちなみにCAは殆ど存在感なし。

ロード88/出会い路、四国へ ['04]

【監督】中村幻児
【出演】村川絵梨
     小倉久寛
     須藤理彩

 四国88ヶ所お遍路の旅。名前だけなら聞いた事あるけど、いざどのような寺を巡るかは知らない。しかしこの作品で88ヶ所の寺院名が全て登場するし、一部はロケ地として実際に登場するのでお遍路がどのようなものかが分かる。明日香は骨髄性白血病を患っていて、死ぬ前の思い出としてお遍路をする事になる。こうなると88ヶ所を巡った後に死ぬと言うのが筋書きのはずだが・・・。
 再起を図る芸人や娘を同じ白血病で亡くした過去を持つ男性など色々な人と出会うのでその人達の行動ともリンクする。ちょっことしか出て来ないキャストも豪華で、芸人の元相方で寺脇康文(しかも回想だけの数分)、警官に三宅裕司、看護士に富田靖子、暴力団?の首領に岸谷五朗、部下に新藤晴一(ポルノグラフィティ・ボーカル)・・・。どの人たちもカメオ出演的に出番は極僅か。
 ただ、中盤から明日香が一緒にお遍路をする伴野と言う男性を暴力団組織が探していたり、警察からは指名手配されていたり・・・する所は訳が分からない。組織はファイルを探しているそうだが、それが何が書かれたファイルなのか、伴野という男は過去に何をしたのか・・・そこが一切語られないのである。しかもこの伴野が結構良い男性なので過去に何かがあったようにも到底思えない。人間見た目じゃ分からないって事か!?。
 明日香が各々出会う人たちの行動もわざとらしく感じる。明日香の移動手段であるローラボードが、壊れていたはずなのに知らぬ内に直っていたり・・・。
 白血病を患いながらも前向きに健気に生きる明日香の姿には共感。”生き続けたいのに出来ない人間もいる”。自殺しようとした芸人に明日香が言った言葉。
 でも最終的には誰も死なず良い感じで終わったけど。

イブラヒムおじさんとコーランの花たち ['03 仏]

【原題】Monsieur Ibrahim et les Fleurs du Coran
【監督】フランソワ・デュペイロン
【出演】オマー・シャリフ
     ピエール・ブーランジェ
     ジルベール・メルキ

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 雑貨店の店主のイブラヒムと近くに住むユダヤ系の少年モモ。モモの境遇は同情しそうなぐらいに可哀想で、母は蒸発し同居する父は可愛がってくれず、父は会社を解雇されて最後は飛び込み自殺。そんな可哀想な境遇だからこそイブラヒム小父さんの優しさが巧く表現されている。モモはイブラヒムの店で万引きを繰り返していたけど小父は見て見ぬ振り。ほんの数分だけだったが、近くに映画?の収録に来る女優役がフランスの名優・イザベル・アジャーニでした。ちょこちょこ笑える場面もありそんなに悲しい話にはなっていない。
 新車を買ったのは良いけどイブラヒムは免許を持って無くて自動車教習所に通うも標識の意味が全然覚えられなかったり・・・。それでもギリギリで免許交付になるので見ているこちらがドキドキする。しかも通る道は標識なんか無いに等しい。
 終盤ではモモとのドライブ旅行になり、トルコの風景が楽しめるようになる。ギリシャなども通るが景色は一切出て来ない。時折流れる60年代の名曲の数々も良い雰囲気を醸し出している(たまに合わない時もあるけど)。
 でも終盤もちょっと切ない。何となく何かが起こりそうな雰囲気はあった。”コーラン”って街か何かの名前だと思ったら、宗教的な本のタイトルでした。
 でも付近に娼婦の居る家は嫌だなぁ・・・。フランスでは実在するのか?。
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笑ってごらん ほら、人生は素晴らしい。

少林寺武者房 ['84 香]

【原題】少林與武當
【監督・出演】リュー・チャーフィ
【出演】チェン・シャオシュー
     チェン・ユーリン

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 武當派と金剛派は同じ少林寺から出た派閥なのに型の違いで犬猿の仲。でも各派の達人は実は友人同士。良く見ないと直ぐには分からないが、確かに武當派と金剛派は武闘の型が違うのが見て取れる。カンフー映画にしては珍しく敵は多く出るのに、死者は殆ど出ない。少なからず死ぬのは善側で、悪側が一切死なない。と言っても完全に悪な感じではなく、各派閥の拳法を習得したい為に秘伝書を手に入れたい為にちょっとした悪どい事をしているだけ。秘伝書が本当にあるのかどうかは定かにならない。少林寺の厳しい鍛錬の様子が垣間見れる。
 気になったのはカンフーが寸止め攻撃になっている事。これはカンフーが一瞬停止して攻撃しているので非常に違和感を感じる。両派閥の達人が友人同士の為に、武當派と金剛派が犬猿の仲と言っても仲の悪さが余り伝わらず不透明。
 ラストは両派の優劣を競う為に達人同士で闘うが、これもちょっとした陰謀めいた物が入っているので、両者とも遠慮がちで迫力なし。見様見真似で覚えても拳法は奥が深い事は良く分かったが、最後は全員和解で終わってしまい中途半端。
 ただ香港アクションからすれば後味は良かった方かも知れない。

リング2 ['99]

【監督】中田秀夫
【出演】中谷美紀
     大高力也
     小日向文世

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 「らせん」よりもこちらの方が「リング」の続編という感じがする。まず舞と竜司の関係が普通で陰謀めいた物がない。「らせん」に比べれば、遙かにこちらの方が恐怖要素が強い。流石邦画ホラーは怖いというのが実践されていて、終始何処で恐怖要素が出て来るのかというドキドキ感がある。「らせん」で昔の普通の素顔を見せていた貞子も今作はⅠと同じような怖い存在に戻っていて、ビデオテープの呪いよりも更に強力になった貞子の怨念が今作のテーマになっている分貞子の怖さはⅠ以上。30年近く井戸の中で生きていたという貞子の設定から怖い。
 中盤までは普通にドキッとする程度の恐怖で済むが、舞と陽一が山村志津子の家に行ってからは恐怖の連続で、舞の背中に触れる白い手とか、志津子と貞子親子の亡霊、香苗の映っている映像で勝手に早送りと巻き戻しを繰り返し、徐々に貞子の顔に変貌していく様子、井戸から這い上がろうとする貞子・・・等。香苗役の深田恭子の恐怖に怯えたⅠでお馴染みとなった死に顔とかも怖かったけど(CG使用?)。貞子の顔が埴輪に見えたのは気の所為か!?。
 Ⅰではビデオを観て1週間後の同時刻に死ぬというものだったが、Ⅱでは既にビデオを観た時点で死ぬ(ダビングは効かない)というように凶悪になっている。
 残念だったのは、声がボソボソしていて台詞が聞き辛かった事と、井戸の中のシーンは暗すぎて良く分からなかった事。

らせん ['98]

【監督】飯田譲治
【出演】中谷美紀
     佐藤浩市
     佐伯日菜子

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 一応「リング」の続編だけど、怖さはほとんどない。しかし「リング」を観ておかないと、浅川玲子と高山竜司が誰なのか理解できないだろう。浅川玲子は台詞としてだけの登場だが、高山竜司を前作で演じた真田広之は続投なので、回想シーンや幻覚で登場。今回の貞子は素顔で登場するので全く怖くない。前作で一世を風靡した呪いのビデオテープの映像も若干見れるが、展開的に前作ほどに怖くない。
 今作は呪いのビデオテープよりも”呪いの手帳”の方が重大な要素で、前作よりかは展開がちょっと有り得ない。しかも高野舞と高山竜司の陰謀めいた物も加わっている。中盤当たりから話も中弛みが始まり、台詞も聞きづらくなっていく。安藤が自殺願望の解剖医の所為で安藤の弱さは巧く出ていた。ただ、幻覚や回想がいきなり始まるので何処で終わってるのか区別が付きにくい。
 前作以上に原作を忠実に再現したらしいが、貞子の可哀想な境遇は伝わったけどそれでも埋められた井戸が何度か登場するだけなので実感は沸かない。

ファルコンダウン ['00 米]

【原題】Falcon Down
【監督】フィリップ・ロス
【出演】デイル・ミッドキフ
     ウィリアム・シャトナー
     ジャド・ネルソン

 最新鋭兵器を積み込んだ戦闘機”ファルコン”。武器を装備している為か形がダサイ。保管倉庫の警備も薄すぎるのか簡単に侵入されている。盗み出すので善人は居ないのかと思ったら、一緒にファルコンを盗み出した仲間の方が悪党で主人公は巻き込まれた形。最新兵器の威力は冒頭で見られる。テロ対策用と言うよりも、テロの撲滅で空襲に来た戦闘機用と言う感じでテロリスト用の武器に活用されそう。北極海に戦闘機が着陸できるほど大きな流氷があるのか謎だが、不時着しても今度は潜水艦でファルコンが運ばれるという任務が悪党側にはある。ファルコンを盗み出す為に凄い手間暇かけている。
 悪の黒幕は潜水艦&ファルコンと共に散るので存在感が薄い。最新兵器を秘密裏に軍が製造していた事を知っている人物が密かにインタビューに答えながらシーンは進んでいくが、この映像とシーンの関係が良く分からない。『インデペンデンス・デイ』を意識したのか、エリア51とか宇宙人とか台詞として出て来るし・・・。でも本編は宇宙人全く関係ないし・・・。X-ファイルを意識?。

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緊急事態!最新鋭戦闘機、北極海に墜落す!!

闘え!ドラゴン/電光石火 ['75]

【監督】田村正蔵
【出演】倉田保昭
     府川房代
     赤塚真人

 倉田保昭が多く闘いたがっていたのが見え見えで、恋愛シーンはなくほとんどが闘っている。香港・日本・マニラを舞台にしているのに他国語は一切登場せずずっと日本語。しかも片言も居ない。これは香港とマニラが舞台の時は吹き替えだったのか?。しかもどの国が舞台でも周りの景色もほぼ同じで、設定だけで撮影場所はずっと同じ場所ではないのかと言う気も否めない。で、どの国にも必ず1人は武道の達人が居て、1度は必ず逃げて、2度目の登場の時にはヒロインなどを人質にとっている。ドラゴンは相手のピンチの時にいきなり何処からともなく現れる。瞬間移動能力でも持ってるんじゃないかの如く、離れた場所に居たはずなのに次の瞬間には現れたりして、ドラゴンの居る場所から目的地までの地形が謎。1番驚いたのは、車で逃げた者を足で追い掛けて追い付いている所。簡単に言えば、”適当で作ったカンフー映画”。
 途中で如何にもこれで終わって続編へ続くようなナレーションがあってややこしかったり、数十人の警備体制なのに簡単に侵入されて弱い敵だったり・・・。ひとまず雑魚だけ多く配置して武道の達人が目立つようにしていたり・・・。秘密結社・シャドウの首領は顔が出て来なかったり。でもどの国もシャドウが襲って来るので本社が何処なのか不明だったり、その雑魚が何処でドラゴンの正確な居場所を聞いて何処から沸いて出るのか謎だったり・・・。
 倉田保昭が1人で目立つ為に監督が作らせた感が強く、他は適当な感じがプンプン漂っている。ちなみに劇場版はこれを含め5作もある。

ヴェロシティ・ラン ['98 米]

【原題】Velocity Trap
【監督】フィリップ・J・ロス
【出演】オリヴィエ・グラナー
     ブルース・ウェイツ
     アリシア・コッポラ

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 終始宇宙が舞台。”ヴェロシティ”は街の名前ではなく、宇宙の危険地帯、海で言う「バミューダ海域」のようなモノらしい。最初に3,4人ぐらいの宇宙飛行士が登場するのでこの中から主人公が居るのかと思ったら悪役だったりする。主人公がある事件の罪を被せられて現金輸送艇の警備係に左遷される。何故警備なのに”左遷”なのかと言えば、目的地に着くまでの6ヶ月の間警備しなければならないから。他の乗組員はこの間眠りに入る。
 現金は400億ドル。安全に目的地まで行けるはずもなく、この大金を狙って先ほどの賊がやって来る。主人公が弱くて悪役が憎たらしい所為で、善が悪を倒すと結構スッキリする。ヒロインは捕らわれるのがアクションの常だが、捕らわれる事もなく戦う事もないが、隕石に直前で衝突するのを防いだりさり気なく活躍している。
 しかしどの宇宙艇も何だか形がダサイ。しかも輸送艇は1メートル以内に近付くと誰であろうとマシンガン砲で蜂の巣にされるのに、悪党は余裕で侵入できていたりする。小型宇宙艇同士のチェイスなどは巧く出来ていた。でもカメラワークの所為で目まぐるしかったけど。

大魔神 ['66]

【監督】安田公義
【出演】高田美和
     青山良彦
     藤巻潤

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 60年代でこのような巨人を動かす事は困難ではなかっただろうか。最初は普通の時代劇風になっていて、謀反が起こったり、悪代官が村民を奴隷扱いしていたり・・・。魔神の怒りを鎮める為に毎年行っている祭りが怪しい宗教の集まりにしか見えなかったけど。魔神の像はあっても魔神が姿を現すまでが非常に長い。
 新主(悪代官)が追う前主の息子と娘を魔神の像近くに匿うのだが、当時少年少女だった2人が知らぬ内に15年以上経って大きくなってる時は最初誰か分からなかった。ああいう場合はせめて何年後の誰々とかという表示が欲しい。しかも折角匿ったのに、外に出て捕まる始末。神や呪いを全く信じない悪代官と、悪さをすれば必ず神の罰が下されると力強く語る神官。
 悪代官の部下達が魔神像を壊しにやって来るんだけど、像に杭を打ち込んだ瞬間に激しい地割れや落雷などの天災が起き悪代官の部下達が崖下に沈んでいく。この時の特殊撮影が又当時としては凄いと言えるような出来になっている。娘はこの能力を捕まった兄たちの救出に使って欲しいと頼み込み、ここで初めて魔神が姿を見せる。
 魔神がゆっくりと悪代官が仕切る村に向かう様も迫力がある。ゴジラ映画が元々あった所為でゴジラを魔神に置き換えただけな感じも否めないが、魔神が無言で悪代官達を倒す様は何だかスッキリする。ちなみに魔神は全く話さない。でも単に悪代官が悪さをしているのが許せなかっただけで、誰かを助けようとは思ってなかったらしい。でも強面だからそれで充分な気もする。
 今では宗教国家でも作りにくい「神が人間を裁く」と言うのが巧く表現されていたと思う。

双生児 -GEMINI- ['99]

【監督】塚本晋也
【出演】本木雅弘
     りょう
     藤村志保

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 獣の腐乱死体と不気味な音楽で始まるオープニング。出演者には全員眉毛がない。1人だけ眉毛がないと不気味かも知れないが、全員となると違和感を感じない所為で怖くはない。が、アップで映されると少々不気味。雪男の両親が変死を遂げる事からメインな話は始まる。本木雅弘が雪男と貧民窟の捨吉の2役を演じているので、多分ここから”双生児”と言うタイトルになったんだろう。双子で産まれたんだけど、1人は膝に龍の入れ墨のようなのが入っていたから捨てられて貧民窟の人に拾われたらしい。雪男の妻のりんも貧民窟出身なんだけど雪男は知らない。そんな時に捨吉が雪男の家に現れて、親(捨吉を捨てた本人)は驚いた余りに変死をしたらしい。ホラーではないのだが、演出的にホラーっぽいのもあって、驚くモノが出る訳でもないのに緊張感がある。捨吉は雪男を井戸の中に突き落とす。ここからりんと捨吉が一緒になるんだけど、貧民窟では元々一緒だったらしい。捨吉はりんに逢いに雪男の家に来たと言っても過言ではないだろう。井戸に突き落とされた雪男も生きてはいるけど。
 シーンによっては音楽が五月蠅くて台詞が聞き辛かったり、小声が多くて眠気に誘われたりする。たまに訳の分からないシーンもある。終盤で雪男は井戸を出て来て逆に捨吉を苦しめるんだけど、あんな深い井戸をどのように這い上がってきたのか疑問。しかも泥んこだったし。
 りんにとっては、雪男に捨吉が乗り移ったって考えていたようだが嘘ではないかも。ラストで回診に行く姿は雪男なのか、それとも捨吉の乗り移った雪男なのか・・・。

ウーマン・ラブ・ウーマン ['00 米]

【原題】If These Walls Could Talk 2
【監督】ジェーン・アンダーソン
     マリサ・クーリッジ
【出演】ヴァネッサ・レッドグレーヴ
     ミシェル・ウィリアムズ
     シャロン・ストーン

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 「女性を愛する女性」と言う事で、同性愛者を擁護する3部作になっている。その為に男性の出演者は1部を除けば刺身のツマ程度の存在。
 1部はちょっと悲しい話ではあるが、年を取っても健在な女性同士の友情が上手く描かれている。2部はクロエ・セヴィニーの男装も見所で終わり方が1番良かった感じ。問題はストーン主演の3部。3部はレズでありながらも子供を望み、妊娠するまでの騒動を描いているが、ストーンがミス・キャストだった感じもする。余りストーンにこの役は似合わない。2部と3部はキャスト(特に2部)も若いので、キャストも良くここまで頑張ったなぁと言う感じの濃厚なラブシーンがある。男女の恋愛は直ぐに出来るのに、同性同士の恋愛は障害が多い事も頷ける内容。同性愛者は余り日本では受ける題材ではないが、人が人を愛する事に男女間でも同性間でも変わらない事をこの作品は伝えている。ラブシーンなどでもそんなに嫌らしくはない出来。
 同性愛者の多いアメリカらしい作品であったとも思う。

眠狂四郎/勝負 ['64]

【監督】三隅研次
【出演】市川雷蔵
     加藤嘉
     藤村志保

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 今作の狂四郎も護衛の仕事。しかし今回は別に頼まれた訳ではなく、偶然出会った老勘定奉行と意気投合して命を狙われていると知って自分で好きに護衛している。中盤までは殺陣も抑え気味で、老勘定奉行だけではなく狂四郎もある5人衆+α(依頼人)に命を狙われてはいるが、この5人衆が気の合ってるようで合ってないような様が可笑しい。誰が狂四郎を斬るか言い争ったりしながらもせこい手は殆ど使わず、ちゃんとタイマン(1対1)の勝負を挑んで来る。狂四郎の円月殺法の強さは相変わらずで誰と勝負しようと、一瞬で勝負が着いてしまう。後ろから狙われていてもいち早く気付くのに、抹茶に入っていた痺れ毒には気付かずに囚われの身になる狂四郎。ただ相手が手投げナイフで襲撃して来ても、後ろ手が縛られたままナイフを避けながらその手でナイフを受け取り、そのまま反撃して縄も一緒に解くのはまさに最強。
 今回のヒロインは3人だが、どれも狂四郎との関係は中途半端。ただ今回の敵は本当に狂四郎目当てが殆どなので誰もヒロインは殺されない。狂四郎と老勘定奉行を同時に殺す為に、相手がある罠を仕掛けるが、それも狂四郎はいち早く見極めて逆に利用したりする。
 ラストで初めての大人数×狂四郎の殺陣になるが、やはりまずやられる事なく相手を倒していくので逆にスッキリする。円月殺法って刀が円を描くまでに相手を斬る技らしいが、円を描ききるまでが長いですね。描ききるまで相手が攻撃してこなかったら技の意味はなくなるのか?。相手は隙を見つけていたが実際に戦えば隙なしだった。

ギャングスター・ナンバー1 ['00 英・独]

【原題】Gangstar No.1
【監督】ポール・マクギガン
【出演】ポール・ベタニー
     マルコム・マクダウェル
     デヴィッド・シューリス

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 ボクシングの観戦バーで飲み交わす元ギャング達。現在のナンバー1が元ボスが出所したと言うことで話は数十年前に行く。ボスが凄く若くて驚いたけど、そのボスの右腕にまで成長するギャングスター。最初こそ暴行シーンも抑え気味で血の出るシーンを敢えて抑えていた感じだったが、ボスが女性に恋した事からボスとギャングスターとの間に亀裂が生じる。自分は女に好かれないのにボスだけ好かれる事に嫉妬したのか、ここからは暴行も血も遠慮無く使用してくる。中盤からは若きギャングスターを演じたベタニーのキレ振りが怖く、例えトップに成り上がる為とは言え、やっている行動は狂気的になる。ちょっとキレやすい性格なので、これではどっちみち現実ではNo.2も無理な感じがするが、劇中では部下を300人近く率いるまでに成長している。
 ボスが敵対ギャングに暴行されてる所を黙って車内から見ていたり、仲間だった人を殺して平然な顔して敵対ギャングの仕業にしたりと徐々に非情になっていくギャングスター。
 若き時代のギャングスターをベタニーが演じて、年を取ったらマクダウェルが演じていたのに、ボスは若き時代も出所した現代も同じシューリスが演じているので何か違和感を感じた。ギャングスターの方は今も強気なのに、逆に元ボスは弱気で既に過去にボスだったという雰囲気がない。ラストもちょっと良く分からなかった。
 音楽は良かったと思う。でもギャングだけに「ゴッド・ファーザー」に似た部分もあるが、決して超えてはいない。
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超えなければならない男がいる。

ランダムファイア ['99 米]

【原題】Random Fire
【監督】ヨッシー・ウェイン
【出演】トレイ・トーマス
     ペッパー・スウィーニー
     トッド・ジェンセン

 某国の大使を乗せた機関車とそれを上空から水上飛行機に乗りながら自ら操縦しながら実況するキャスター。大使は命を狙われていて家族と警備員を乗せて逃亡を図っている。周りに危険なものもないので一見何の変哲もない光景に見える。が、ある人物がマイクを通して歌を歌い始めた事で一変する。その歌は一種の催眠術への引き金になるような歌で、水上飛行機のキャスターが機内の爆弾を作動させて機関車が鉄橋に差し掛かる所で水上飛行機が衝突して大爆破を起こす。現実のテロリストにも催眠術を使う人が居るんだろうか。確かに催眠術ぐらい掛けないと自爆は躊躇しそうである。
 そんな中でデルタ・フォースは命懸けの銃撃戦。切ないぐらいにポンポン死んでいく。相手の数がやたら多いが何処から沸いていたんだろう。実はここで戦場に残った3名が終盤への伏線になっている。1度解雇された大尉が仲間を救う為に再度戻って来るのだが、最初は主演が誰であるか全く分からなかった。そんな中で生き残っていたデルタ・フォースの隊員の1人が催眠術によって自爆事件を起こす。
 デルタ・フォースは残る2人を助ける為にテロリストの基地へ。途中にヘリ・バトルがあり、到着後も銃撃戦がずっと続くので95分の内の半分はアクションが占めている。序盤の銃撃戦と違って、この終盤では敵側の銃弾は殆ど当たっていない・・・。救助目的の2人の内の1人も催眠術で自爆を計るんだけど人間の心はちょっとは残っていたみたいで、本人は死んじゃうけど隊員には怪我人や死人が出ず。最後の1人は薬には打たれていたけど催眠術に掛かる直前で助けられたので良かった感じ。終盤のデルタ・フォースは序盤と違って弾は当たるし誰も死なないので凄く逞しくなったように感じるけど、デルタ・フォースってもっと強いイメージがあるけどなぁ・・・。序盤のデルタは本当に弱かった感じも否めない。特殊部隊の癖に援護まで呼んでるし・・・。
 テロリストがテロを起こす理由ってやっぱり標的となる国の政治上層部にあるようです。そりゃ理由もなくテロは起こさないだろうし・・・。

獣たちの熱い夜/ある帰還兵の記録 ['81 香]

【原題】胡越的故事
【監督】アン・ホイ
【出演】チョウ・ユンファ
     チェリー・チャン
     ロー・リエ

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 ユンファにとってはまだデビューして1年目の作品でまだ日本では未公開作ばかりだった。今回のユンファはベトナム系中国人で難民。元々ユンファは現実的にも貧困家庭で育ったらしいのでそう言う意味ではリアルかも知れない。ベトナムで命を狙われ香港に逃亡するという設定だが、ベトナムで一体何をして来たのかは台詞で片付けられるだけ。物語上では何も関係ないけど、難民船上で小さな赤ん坊をさり気なく海に捨てる女性が切なく感じた。でも、香港に向かうと最初は言ってた気がするが、知らぬ内にアメリカだったりフィリピンだったりして香港は余り出て来ない。香港には文通相手、フィリピンには友達程度の女性が居る。でもフィリピンでその女性が人身売買組織に買われた事で助けに行くのだが、ボスの依頼で殺し屋になるのが話の筋。
 アメリカでは日本人だと都合が良いらしく、日本語の勉強シーンなどもあるが、幾ら同じアジア人でも言語はそれぞれ違うのだから成り済ますのは無理じゃないかと思う。「私の故郷は九州です」と言わせても言葉が片言じゃどう考えても日本人じゃないだろう・・・。
 殺し屋になると言っても殺し屋稼業が見られるのは僅かに1人だけ。そう言う意味ではアクションは無いに等しい。文通相手である女性の存在感も中盤から無くなってくる。しかも書かれる手紙も”一応出しておかないと変に疑われる”という感じ丸出しで適当感が垣間見えた。
 組織のちょっとした陰謀とかもあるが何の為の陰謀だったのかは定かではない。

ウインド・フォール ['01 米]

【原題】Windfall
【監督】ジェリー・リヴリー
【出演】キャスパー・ヴァン・ディーン
     ロバート・イングランド
     グレッグ・ヘンリー

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 冒頭で主人公と相棒がカジノ強盗を決行しカーチェイスを経て捕まるもオーナーの恩恵で直ぐに釈放されるので、相棒が金を横取りする話なのかと思ったら、災害を利用して同じく金の強奪を計画しているカジノの警備員達の陰謀の話でした。原題のwindfallが”棚ぼた”と言う意味であるように、20年に1度の規模という大型ハリケーンで人が避難して居なくなる事を利用しての強奪計画。まぁ一種の火事場泥棒です。
 ただ、この大型ハリケーンは取って付けた感じで、市民が慌てて避難する様子も映らないので、アクションにしたいのかパニックものにしたいのかハッキリして欲しい感じも伺えた。逆に言えば、パニック部分は余計で陰謀に立ち向かうアクション一辺倒にして欲しかった。相棒役のイングランド(フレディ役で有名)が相棒思いの良い存在感を出している。
 カジノって警備員もなかなか大変そうで、幾つもある監視カメラの映像を1度に見なければならない。強盗団が人が居ない時を狙うのも、災害があれば警備員も避難する為。主人公と共に命を狙われているにも関わらず、ボートチェイス中でも落ち着いて平然な顔をしていたヒロインにも違和感。主人公の弱さも目立っている。
 ラストも悪党側は金を盗ったらサッサと逃げれば逃げ切れた感じもするが、いくら何でもハリケーンの目を狙ってヘリで飛び立つのは無理を感じる。

ファンタスティック・フォー [超能力ユニット] ['05 米]

【原題】Fantastic Four
【監督】ティム・ストーリー
【出演】ヨアン・グリフィズ
     ジェシカ・アルバ
     クリス・エヴァンス

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 宇宙嵐によって特殊能力を得た4人+α。宇宙嵐がどんなものか知らないが、元々宇宙嵐が約7時間後に来るはずだったのに、計算違いで9分後というのは計算が違い過ぎじゃないか!?。これで”優秀な科学者”と言われているのだから正直先が思いやられる。ジョニーだけ能力を気に入っていたけど。能力を最初に使う橋の上の交通事故のシーンも大事故だったのに死者を出さなかった事で一躍英雄になるが、その原因を作ったのは自殺志願の小父さんとザ・シングに他ならない。ザ・シングが自殺を止めなければこんな大事故にはならなかったはず。それでもザ・シングも英雄扱いになったのが納得しづらい。
 電磁波を操るDr.ドゥームとジョニーの炎で空を飛ぶシーンは格好良かった。他のアメコミものと違ってお笑い所も多い。これは特にリードの体がゴムのようになる能力の所為もあるだろう。手を伸ばして反対側の扉の鍵を開けるとか、ザ・シングとの喧嘩とか、トイレットペーパーを取るとか、彼のアクションは皆笑いでしかなっていない(ラストのDr.ドゥームとの対決でも)。
 ストーリー的には、失恋したザ・シングに盲目の女性の彼女が出来たり、リードとスーが良い関係に戻ったり・・・。
 続編もありそうな終わり方だった。続編はあるんだろうか・・・。
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4人の愛 4つのパワー 1つの使命。


   

英雄の条件 ['00 米]

【原題】Rules of Engagement
【監督】ウィリアム・フリードキン
【出演】トミー・リー・ジョーンズ
     サミュエル・L・ジャクソン
     ガイ・ピアース

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 軍事裁判を題材にすると50年以上前ならしっくり来るかも知れないが、今の日本人にはちょっと理解しにくいかも知れない。イエメンで起こる大使館へのデモ。しかしこのデモ隊が大使に何の抗議をしているのか定かではない。しかも子供まで参加している。やがてデモは暴徒化。暴徒化させるほどの何かを大使はしたのだろうか。大使の救出に向かうチルダース大佐一行。これだけのデモならば大使館を包囲しても良いはずだが、何故か大使館の裏手には人が1人も居ないのが不自然に感じた。デモ隊も屋上に狙撃手を配置しているので既に交戦準備万端だし。チルダースは命懸けで大使一家は救うんだけど、何故再び屋上に帰ったのか。群衆や狙撃手から撃たれて群衆に応戦して83人もの死者を出す訳だが、地上から屋上への攻撃の場合、死角に逃げるとか色々逃げ場はあるはずで、何故1番危ない狙撃手を撃たなかったのか、裁判時でも問題にされていたがここは同意見。チルダースは殺人容疑で軍事裁判にかけられ、弁護をする事になるのは嘗ての戦友で現在は退役中のホッジス。
 群衆が武器を持っていたのか否か、交戦の規則に従ったか否か等後半はずっと軍事裁判シーンとなる。ライバル検事となるビッグスはせこい手を使わず正方に尋問するのに対し、補佐官や大使は証拠隠滅や偽証など自分の立場を守る為に狡賢い手を使うのでやるせない感じに。戦争において、殺人と英雄は紙一重。多数の人を殺せば英雄になり、少人数だと唯の殺人になる。相手が武器を持っているならまだ良いとして、無防備の人を無差別に多数殺して英雄になるのは許せるものではない。
 結果的に殺人に関しては無罪になったがこの無罪放免の結果も疑問を持つ。狙撃手さえ交戦不能にすれば下からの攻撃なのだから幾らでも逃げれたはず。命を救われた恩を仇で返した大使も到底許せるものではないけど。
 どんな状況でも子供は殺しちゃ不味いと思うぞ・・・。
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   <キャッチコピー>
殺人者か、英雄か?